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日本ダービー(東京優駿) 2016年血統分析

2016年日本ダービーに出走する有力馬の血統分析をしました。皐月賞前にした血統分析にその後登場した有力馬を加えたものになっているのですが、皐月賞の後にこれだけ多くの有力馬が現れた年はエイシンフラッシュの勝った年以来のように思います。


アジュールローズ

父ヴィクトワールピサ 母ヴィアンローズ 母父Sevres Rose

Hail to Reason5×6の中間断絶が主導。Almahmoud5×7も加わりHaloの持つ血を強調する配合になっている。

主導以外で目立つクロスはNearco、Blandfordくらいで、とてもシンプルにまとまっている。

ヴィクトワールピサが多く持つRialto、Solario、Fairwayの生かし方に物足りなさを感じる事と現代競馬で戦うにはスピードの血のクロスが足りないように思える。

仕上がりと反応の良さでどこまで。

エアスピネル

父キングカメハメハ 母エアメサイア 母父サンデーサイレンス

Northern Dancer4×4の中間断絶によって母母父ノーザンテーストの中に血を集合させNorthern Dancer、Hyperion、Mahmoudで全体をリードするハズレの少ない配合パターン。

Hyperionが十分活きているのでTudor Minstrelのスピードが期待できる。

オルフェーブルをはじめノーザンテーストを強調した配合馬は重の鬼になる傾向があり、デイリー盃圧勝は道悪巧者の素質が表出したものと思われる。

Buckpasser~Pharamondのスピードを十分活かせなかったのは残念で世代トップクラスに比べてスピードは劣る。かといってスタミナ十分の配合でもないので12ハロン戦は微妙。馬券的にはダービーは無印。皐月賞の連穴で。


サトノダイヤモンド

父ディープインパクト 母マンペルサ 母父Orpen

父母内に満遍なくあるAlmahmoudの系列ぐるみが主導。Halo3×4*5の単一クロスに主導そしてアメリカ系のスピードとスタミナの血を集めた配合。

Mahmoud、Pharamondが豊富な上にSon-In-Law、Fairwayのクロス付きでディープ内FairTrialを活かす等スピードは相当のもの。スタミナはBull lea~Teddyの系列とHyperion、Prince Quilloから。スタミナが開花すれば早目先頭で押し切る競馬も可能になる。

血統の構造はタイキシャトルに近く、タイキシャトルの戦績がサトノダイヤモンドの好走条件の参考になる。距離は現時点で何とも言えないが東京と京都のワンターン競馬が合うのではないか。

完成度から今年のクラシックの主役を張るのはこの馬だろうが中山2,000mには不安を感じる。


ジョルジュサンク

父ヴィクトワールピサ 母ハリウッドローズ 母父ラムタラ

父母内に5つあるAlmahmoudの系列ぐるみが主導。Blandford系とHyperion系の血を活かし、Pharamondのスピードを加えている。普通ならスピードタイプの馬になるが、当馬の戦績を見るとスタミナ型の馬になっていると思われる。

スタミナ型になった理由として、Hail to Reason系の父とNijinsky系の母を組み合わせた事が考えられる。両者はAlmahmoudを主導が明確になる上に互いの米系の血が9代以内でクロスするので相性が良い。しかしこの配合はスタミナが強調され過ぎて日本で勝ち上がりにくい傾向にある。

ジョルジュサンクはスピードの血を多く持っているのに瞬発力勝負はサッパリで、ハイペースの底力勝負で2勝上げているのは上記配合の特徴が出ているからではないだろうか。

5月遅生まれという事もあり良さが出るのは秋以降か。菊花賞の穴馬として注目したい。


スマートオーディン

父ダノンシャンティ 母レディアップステージ 母父Alzao

Northern Dancer6×4の主導。Turn-to6×6*7中間断絶とAlmahmoud6×6の系列ぐるみクロスは主導にSolarioやBlenheim系のスピード・スタミナを供給する役割を担っている。

PharamondとMahmoudが7代目から複数主張して豊かなスピード能力を形成しているのがスマートオーディンの最大の長所。

Vaguely Noble、Wild Risk、Donatello、Prince Quilloなどスタミナ勢力もずらりと並ぶ(非クロスも含む)がスピード優位と思われる。

母レディアップステージがFair Trialの血を多く持つがそれらがクロスしなかったので、ディープ産駒と東京競馬場で戦うとキレ負けする可能性がある。敢えて前向きに捉えると、12ハロン戦のスタミナが問われる展開になれば有利に働く可能性も無くは無い・・・、といった感じか。

距離は融通が利きそうで3歳春時点なら2,400mでも十分勝ち負けできる。

既述の通り、上位ディープ産駒相手にはキレ負けする懸念があるので、毎日杯、京都新聞杯に出て賞金を確実に積み重ねた陣営の判断は高く評価したい。


ディーマジェスティ

父ディープインパクト 母エルメスティアラ 母父ブライアンズタイム

Almahmoudの系列ぐるみとHail to Reasonの中間断絶が主導。

母母内SolarioのおかげでSolario~Gainsboroughの系列が完成し、AlmahoudとHail to Reasonが滑らかかつ強固に結合した。

満遍なく散らばっている米系の血のほとんどが主導のHail to Reasonの傘下に収まる。

血の結合度が良好で底力に優れている。また決め手の血であるThe Tetrarchが複数クロスし、それらが主導と結合しているので決め手にも優れているはず。どのようなペースにも対応でき、脚質も自在にできるオールラウンダー。

Son-In-LawとFairwayがクロスしてFair Trialのスピードをアシストしている箇所があり、既に戦績にも表れているが東京が向くと思われる。

残念なのはNorthern Dancer4×5のクロスが前面に出ていて主導が不明確になり勝負処で反応が鈍くなる可能性がある。また米系の血が能力の主体となっているため日本の芝適性に不安を残す。血統は優秀だがレースで結果が出ないタイプの可能性も。

今年のクラシックの上位人気馬とは異質のタイプで、例えばサトノダイヤモンドが勝つ展開のレースでディーマジェスティが上位に来るパターンは考えにくい。馬券を買うなら日本ダービーで、底力系の馬と組み合わせて。当たれば凄いことになりそうだ。


ヴァンキッシュラン

父ディープインパクト 母リリーオブザヴァレー 母父Galileo

Lyphard4×6中間断絶主導。ディープの持つスピードとスタミナの源となる血が概ねクロスしている点は見事で東京2,400mの舞台で活躍できる潜在能力は十分。

Hail to Reason4×6中間断絶が加わり主導が不明確になっているので、レースはある程度ペースが速くなるのが望ましい。

Northern Dancer5×4*7*7*6が生じていて、Northern Dancerのクロスを大量に作っている馬は大一番で一息の傾向にあるのでダービーでは割引が必要。


プロフェット

父ハービンジャー 母ジュモー 母父タニノギムレット

Northern Dancer5*7*6*5×5の中間断絶とNatalma6×6の系列ぐるみでNorthern Dancerを強調した配合。Native Dancer、Hyperionも主導の傘下に収まり結合は良好。良くも悪くもハービンジャー産駒らしい形態。

母は父タニノギムレット母トゥザヴィクトリーの全妹という良血。タニノギムレットはGraustark内にスピードとスタミナを集合させた名馬。母の姉トゥザヴィクトリーはHyperion系のスピードスタミナを1つにまとめた名馬。なので母方の血を強調する配合が望ましかったがまるっきり別の形態になってしまった。

5代目に異なる種類のクロスを複数作っているのでズブさは相当のもので、取りこぼしが多くなるのが予想される。血の質は今年の上位馬と遜色ないので、展開次第で金星も有り得るだろう。

三冠全てにおいて伏兵たり得る能力は持っているはず。時計のかかる馬場で上り勝負でも底力勝負でも無いレースになれば面白い。馬券的には三連系の相手に100円しのばせるタイプ。


マウントロブソン

父ディープインパクト 母ミスパスカリ 母父Mr.Greeley

Hail to Reason4×6の系列ぐるみとNearctic6×5の系列ぐるみの2本立てで全体を主導。

Nearco、Hyperion、Native Dancerという現代サラブレッドの基礎能力となっている血が強固に結合している。米系の血もHail to Reasonがうまくまとめている。

主導が2本立てなのでズブさは否めないが、結合度の良さから底力は期待できる。

その一方で、ディープ産駒の良さであるキレ味の源泉となるスピードの血はクロスしなかった。また母母内に弱点を抱えているのでポカもある。能力は高いが勝ちきれないレースが続きそう。

皐月賞、ダービーいずれも切れ味で分が悪く、ハイペースの底力勝負にならないと厳しい。乱戦で浮上するタイプを軸に据えてギャンブルを楽しむのも一興ではあるが。


マカヒキ

父ディープインパクト 母ウィキウィキ 母父フレンチデピュティ

Halo3×5の単一でHalo内に血を集合させた配合。

The Tetrarch、Pharamond、Gold Bridgeのスピード更にはRomanのスピードが系列ぐるみで生きているので、スピード能力は世代トップクラス。

スタミナもSon-In-Law、Prince Quilloが生きているから短距離馬ではない。

心配されるのはNorthern Dancer5×5*7*6の中間断絶と先述したRomanの系列ぐるみが生じたのでAlzaoの影響力が強まっている事。

両者は共通の血を多く持っているので連合勢力として機能すれば、反応の良さと底力を持った馬になる。しかし連携が取れていないときは主導が不明確になりズブさを見せる。

皐月賞、ダービーどちらも優勝候補で二冠は十分有る。しかしダービーは東京適性の高いサトノダイヤモンドがいるので皐月賞に全力を注ぐのも一つの戦い方。馬券は三連単の頭にできる。


リオンディーズ

父キングカメハメハ 母シーザリオ 母父スペシャルウィーク

主導はNorthern Dancer5*5*7×6*4あるいはNijinsky6×5の中間断絶。

次いでNasrullah6*8*7*8×8が強い影響を及ぼしている。

Northern Dancer内Almahmoud~Swynfordの流れに全体に散らばるHyperionとNasrullahが結合し、駄目押しにSpecial5×5がHyperionとNasrullahを結合させている。

多重構造の凝った配合。主導の不明確さは致し方ないが、結合度の良さとスタミナ系Hyperion産駒の能力参加により底力の高い馬になっていると思われる。

Buckpasser6×6の中間断絶はあるもののスピード不足のきらいはある。朝日杯FSと弥生賞は速い流れの底力が問われるレースになったため当馬の良さが目立ったが、高速馬場でスローの上り勝負になった場合、見せ場無く後方で沈むことも有り得る。

皐月賞はともかく日本ダービーは高速馬場で行われる可能性が高いので馬券の購入は馬場状態が明らかになるまで待った方が良さそうだ。


ロードクエスト

父マツリダゴッホ 母マツリダワルツ 母父チーフベアハート

主導はHail to Reason4×5の単一とBold Rular5×6*5の系列ぐるみの連合勢力で、両者を掛け合わせると米系、Nearco系、Blandford系の血が9代以内で結合する相性の良い配合。

Native Dancerの血もNorthern DancerとBold Rulerにより能力参加を果たし、Hail to Reason内9代目Phalarisで主導と結合している。

この配合の面白さはNorthern Dancerをクロスさせずにその能力を引き出している所で、もしクロスしていたら主導が不明確になり過ぎて勝ち上がれなかった可能性がある。

当馬はスピードタイプの馬と思われる。反応の良いタイプではない上にスパッと切れるようなスピードを持っているわけではないので芝の大レースでは苦しい。将来的にはダート中距離に活路を求めるのが良さそうだ。

力のいる馬場でスローないしミドルペースで瞬発力の問われないレースで浮上する。皐月賞、日本ダービーどちらも条件を満たすレースにはならないと思う。馬券的には別のレースで狙いたい。


上記評価を5段階評価で分かり易くまとめました。

スピード 瞬発力 反応 スタミナ 底力 ダービー
アジュールローズ 3 3 5 4 4
エアスピネル 4 3 4 3 3
サトノダイヤモンド 5 5 4 3 3
ジョルジュサンク 3 3 3 4 4
スマートオーディン 5 3 4 4 4
ディーマジェスティ 4 5 3 4 4
ヴァンキッシュラン 4 4 3 4 3
プロフェット 4 3 3 4 4
マウントロブソン 4 3 3 4 5
マカヒキ 5 5 3 4 4
リオンディーズ 3 3 3 5 5
ロードクエスト 4 3 3 3 4

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